オランダ ライデン自然史博物館 (ナチュラリス生物多様性センター Naturalis Biodiversity Center)について



7月末リスボンに向かう途中,アムステルダムスキポール空港で乗り継ぎに6時間あるので空港外に出て,列車でライデンに向かう.最初乗り場が分からない.切符は自販機で買いにくいので,有人の売り場で購入.少し高いようだ.乗り場も聞いて確認する.直通で30分程度で到着.途中,平坦な田園地帯が続く.干拓してできた国だ.駅前にはライデン大学医学部のキャンパスが広がる.駅の北側は再開発の途中で工事現場が広がり落ち着いた街並みではない.大学の西側,線路の北西側にレンガ建ての自然史博物館(正確にはナチュラリス生物多様性センター Naturalis Biodiversity Center)がある.しかし,午後5時を過ぎて,入館はできない.周囲は運河が流れ,静かな雰囲気だ.また通りを隔てて2階がつながった大きな建物があり,その建物が博物館の本体なのかもしれない.時間もないのでしばらく周辺をぶらつき,線路の反対側に向かう.カフェなどはこちらの方が多そうだ.後で調べると,国立博物館,運河などがあり,散策などはこちらが適しているようだ.司馬遼太郎は「街道をゆく オランダ紀行」で二度ライデンを訪れたことを書いている.余程この街が気に入ったのだろう.画家のレンブラントンが生まれたこの街とその歴史,たたずまいに非常に惹かれたようだ.スキポール空港で乗り継ぎのため待ち時間が時間あるとき,散策に行くとすると,アムステルダムユトレヒト,それからこのライデンがある.アムステルダムはやや近く,ユトレヒト,ライデンともに列車で30分程度で到着する.博物館の見学もしていないので機会があればまた行ってもよいかもしれない.もっとも司馬が訪れた頃と街の雰囲気は変わっているのかもしれない.
 司馬のオランダ紀行を飛行機の中で読んだが,彼は貿易が発達したオランダについて,プロテスタントカトリックを比較しながら,オランダ人の国民性について実に分かりやすく説明している.プロテスタントが質素で実利的生活,個人の自由を導入し,資本主義が発達したことを語っている.彼はオランダ人に好意をもっているようだ.料理についてもオランダ,ドイツ,イギリスなどプロテスタンの国々は質素な惣菜であり,体系だった料理ではないことを宗教から説明している.系統だった料理は,フランス,イタリア,中華であることも述べていたと思うが(日本料理はここに入るのではないか),豪華な料理はカトリックを背景にして誕生したと言えるのかもしれない.更に考えると,現在フランス,スペイン,ポルトガル,イタリア,ギリシャなどのラテン系の国々でまだ労働組合が一定の力をもつことも,グローバルな資本主義が完全に支配していない国であり,これもカトリックの存在が関係あるのかもしれない.ライデンからの帰りの列車はアムステルダム行きに乗ると,スキポール空港経由ではないことに乗車後気づいた.ライデンから線路は二つに分かれていたのだ.乗り継ぎの飛行機の時間があるので,慌てて,途中で乗り換え空港に戻った.