リチャード・カーチスとラブコメデイ Richard Curtis and Romantic Comedy

ブコメ映画にはアメリカで制作された主演メグ・ライアンを中心とした一連の作品とイギリスのリチャード・カーチス(Richard Curtis)脚本、監督の一連の作品がある。ヒュー・グラント(Hugh Grant)の出世作フォーウエデイング(原題Four Weddings and a Funeral 1994)、ノッッテイングヒルの恋人(Notting Hill 1999)、ラブ・アクチュアリー(Love Actually 2003)、ブリジット・ジョーンズの日記(Bridget Jone's Diary 2001)などである。彼はロンドンを舞台にした多くのラブコメ映画の制作に関わっている。ニュージーランド出身。11歳でイギリスに移住。大学卒業後、テレビのコメデイ、ニュースのシナリオライターを経て映画界に入る。また、ミスタービーンで有名なローワン・アトキンソン(Rowan Atokinson)と学生時代に知り合い、彼も後にコメデイの道に入ったようだ。そしてヒュー・グラントとコンビを組みヒット作を連発するようになる。彼はロンドンの映画の舞台になったNotting Hillに居住。繊細な美的感覚とユーモアをもっている。「ノッッテイングヒルの恋人」はハリウッドスター、ジュリア・ロバーツをグラントの相手役に配し、脇役に芸達者なイギリスの役者を揃え、音楽はシャルル・アズナブール。ハリウッドの大スターとノッテイングヒルの本屋との滑稽とも言える恋と彼を応援する仲間の友情を見事に描いている。最後の記者会見の場面は「ローマの休日」を想い出す名場面。ラブ・アクチュアリーは首相役のヒュー・グラント(ブレアがモデルか)ら十組前後の独立した男女の恋を巧みに描きながら、最後の空港の喜びの場面で一つになって行きHappy End。コリン・ファース(Colin Firth)、エマ・トンプソン(Emma Thompson)、ローラ・リニー(Laura Linny)、ビル・ナイ(Bill Nigyh)などノッッテングヒル以上に役者が揃っている。音楽の使い方もクリスマス向き。クリスマスに自宅で観るにはお薦めか。
彼の映画は、美しい詩情とユーモア感覚に富み、描かれるロンドンの街の景観も美しい。特にラブアクチュアリーの完成度は高いと思う。ローラ・リニーの演技は秀逸。やや傾向の異なるブリジット・ジョーンズの2本やミスタービーンなどのシナリオも書き、彼は多彩な才能をもっている。彼の描くラブコメはハリウッドものとは異なる味のある作品になっている。イギリスはEUに加盟せず、アメリカと経済のグローバル化を進めてきた。しかし、アメリカの露骨な競争原理、新自由主義とは一線を引きたいイギリス人リベラル派の心情を巧みに描いている。早口でしゃべり、自己出張の強いアメリカ人と違いBritsh Englishは英会話の学習にも適している。 スケッチは、冬の夕暮れ時の神戸元町大丸付近。