ドイツ フランクフルトの風力発電

関空からフランクフルト経由でロンドンに向かうとき,飛行機がフランクフルト空港に着陸態勢に入ると,地上の田園地帯に3か所の小型の風力発電所のプロペラがゆっくり回っているのが見えた.ドイツではあちこちに風力発電所があるらしい.隣のフランスは原発に依存することがよく知られている.プレートの境界に位置しないフランスは地震の心配がほとんどない.ドイツも地震の発生はほとんどないが,今年メルケル政権が2022年までに,電力供給量の23%を担う原子力を廃止することを決めた.福島の事故から先進国ではイタリア,ドイツが脱原発を正式に決めている.イタリアには原発自体がない.日本では原子力の利用が進んでいるため,風力の利用は極めて少ない.ネットで調べてみると,風力発電の適地が少ないということもあるのだろう.今日本全体の供給量は世界的に見ても全く進んでいない.もっとも発電量の大きい発電所は北海道の宗谷岬にあり,北海道東北の海岸沿いが多いようだ.日本は台風が必ず襲来する.これも風力発電の課題だろう.台風の来ないデンマークなどでは海上に設置することも多いらしい.それは水深が浅いことから可能のようだ.すでにデンマークでは供給量の20%もまかなっているらしい.日本列島は海溝の西側に形成された弧状列島だから,太平洋側に浅い海は少ないだろう.台風の影響が少なく,常に強い西風が吹く地域はその地域に新たに発生する振動,騒音等の問題を取りあえず置いて考えれば北日本の海岸線ということになるのかもしれない.ドイツが脱原発に踏み切ることができたのは,風力発電などの長期間の取り組みがあったからだろうと機上からあらためて考えた.スケッチはLondon市内 St. Paul’s Cathedral付近.