秋の京都とWILLY RONIS展

11/22日20数年ぶりに夫婦で東山の紅葉と市立美術館の「大エルミタージュ美術館展 世紀の顔 西欧絵画の400年」を観ようと京都に出かける。連休2日目、肌寒いが多くの観光客で四条通りは賑わっている。四条大橋たもとにある「櫓」で蕎麦を食べた後、渋滞しているので四条通をぶらぶら歩いて市立美術館に向かう。途中京都現代美術館でフランスの写真家「WILLY RONIS展 ロニスの愛したパリの日常」を発見。知らない写真家だが興味をもち観ることにする。Willy Ronisは1910年生まれで2009年没。第一次対戦、第二次大戦を経験している。フランスでは著名な写真家らしいが、日本では無名に近いようだ。すべてモノクロ写真。すごく良い。彼はパリ、プロヴァンスなどに生きる名もなき人たちをいとおしく撮影している。印象に残ったのはおそらくパリの通りをはしゃいで歩く幼い少年、1935年ごろシトロエン工場のストライキで中年の女性が集会でアジ演説をしているところ、ベニスの海岸沿いの街並み、プロヴァンスの酒屋のいかつい顔をした中年の男など。今の時代だからこそインパクトがある。検索すると彼の日本版の写真集は出版されていないらしい。街を歩くと時々こういう写真展など面白いものに出会う。車を使うとこういう出会いはない。この写真展を観た後、白川沿いに歩き、市立美術館は行かず南禅寺に向かう。すごい人だ。モミジなどの紅葉、黄葉のピークだ。落葉樹の葉の光合成能力は高いが、葉の寿命は常緑樹に比べて短い。トレードオフの関係になっている。冬に向かうときアミノ酸を主成分とした葉緑素を分解し回収する。そのとき、葉にアントシアンなどが蓄積され紅葉となる。黄色のカロチノイドが残されると黄葉となる。そして離層から葉を落としてしまう。無駄な葉を維持することは植物にとってコストがかかるだけだ。
 南禅寺のレンガ造りの疎水を久しぶりに見る。その写真を1枚モノクロでアップロードする。Willy Ronisの真似だ。境内はすごい人だ。さらに雑踏の中を歩き永観堂の紅葉、黄葉を外から見て、丸太町通りを歩き、京大病院横のからふね屋で休憩。コーヒーの代金がやたら高い。さらに歩き京大熊野寮に出くわす。昔のままだ。勝手に中に入る。セーラー服を着た変な男や「大学奪還闘争」などと書かれた大きな紙が壁に貼られている。中核派の白ヘルメットも置かれている。まあ、昔と同じ「治外法権」区域という感じ。夜は三条河原町のアサヒビアレストランで黒ビールとワイン、ソーセージ、ニシンのワイン漬けなどを食べ帰宅。疲れたけれど何だか充実した1日だった。