クリスマスイブの神戸と映画「最強のふたり」 Intouchables

イブの24日、生物接写用に使用しているpentax ist Sの中古標準レンズを購入のため三宮に向かう。時間があるので映画「007Sky fall」を観ようと駅前のミント神戸に行くが、人出が多く満席で入れない。あわてて元町のシネリーブルに走りフランス映画「最強のふたり」を観る。予想以上に面白く心温まる映画だ。原題フランス版 「Intouchables」、 英語版 「Untouchable」となっている。ネットの仏和辞典にはこのことばはなく、手元にある英和辞典には「さわることのできない」とともに「遠くで手が届かない」、「社会ののけ者」あるいは「インドの不可触民」など多様な訳語が並ぶ。まあ内容から「とても日常を共にすることのない2人が出会い、そして固く連帯する」とでもいう意味だろうか。邦題はやや意訳過ぎると思う。上映された他国はほとんど英語かフランス語のタイトルを使用している。あらすじはフランスの大富豪でパラグライダー落下事故で首から下が麻痺した気難しいインテリの中年男と彼を介護する仕事のないスラム街出身の黒人が巻き起こす痛快な物語だ。オープニングが予想外の展開でカーアクションから始まる。使用した車はエンブレムから推測するとマセラテイのグラントゥーリズモというクーペではないか。
 EU圏の経済も悪化し、労働組合の強いラテン系諸国も構造改革が進み非正規労働者が急増している。そして所得格差が開いて行く。こうした社会情況を背景にフランスで史上2番目のヒット作らしい。そしてアメリカで早速リメイクが決まったとのこと。誰を共演にするにしてもこの映画以上の作品を作れるのかと疑問だ。スウェーデン映画「タトウの女」もアメリカでリメイクされた。アメリカ・ハリウッド映画会社がいかに落ちぶれたかが分かる。映画を観てから、元町でpentax用の中古レンズを6500円で買う。安い。その後、鯉川筋を山側に上がり、久しぶりに中華料理の「東亜食堂」に行く。なじみのおばさんは3年前に亡くなり、その時手伝っていた中国人の女性が商売を続けている。「牛ばら肉の炒め物」、「エビのすり身を湯葉で巻いたもの」や「蟹のすり身のあんかけ」などを食べる。調理人は変わらず、おいしく安い。また来るよと言って帰る。寒いけれど良い1日だった。