冬の庭の果実  ネムノキとヘクソカズラ

年末はあれやこれやで慌ただしく,ゆっくりできなかった.年が明け正月に入り,少し落ち着いた.庭の西側ののり面に訪花昆虫を観察するため,数年前マメ科ネムノキを植栽した.去年から開花が始まり,果実もできた.マメ科の植物は成長が早い.おそらく根粒菌と共生しているからだろう.冬枯れの枝に乾果の果皮が残っている.その枝にはアカネ科のつる性のヘクソカズラがからみつき,柿色の液果が残っている.庭の西側のフェンスには,あちこちこの植物がからんでいる.おそらく鳥が種子を運んだのだろう.ヘクソカズラとは何ともひどいネーミングだ.学名もscandensだ.庭の東側にはマユミが勝手に成長し,赤い果実(螬果)をつけている.これも鳥によって種子散布されたものだろう.鳥たちは色々な果実を食し,遠くで種子を排出して,発芽・成長すると新しい植物の群落をつくる.数年間庭を観察していると色々なことが分かってくる.10年ほど前から風で散布されたネジバナの種子が繁殖し,夏に開花が始まった.そして庭で神大の岩田君の粘り強い丁寧な観察からネジバナの繁殖について論文化することができた.自宅の庭で調査,研究できる幸運を感謝している.スケッチは冬枯れの庭のネムノキの枝にからみついたヘクソカズラネムノキの果皮.