昼下がりの神戸と映画「複製された男」・「ジゴロ イン ニューヨーク」



7月末,昼前に仕事が終わり,バスで山を降りて三宮に向かう.暑い.センター街の南側のハンバーガーショップに入り,2階でハンバーガーとアイスコーヒーの昼食.しばらく文献を読む.客は他に1人だけで,ゆっくりできる.食後近くのシネリーブルに向かい,映画「複製された男」を観る.平日の昼下がりで観客は少ない.映画の原作はポルトガルジョゼ・サラマーゴの小説.原題「O Homem Duplicado (The Double)」.ポルトガル,カナダの共同製作.舞台はカナダのトロントで大学の歴史を講義する男(ダニエル・ギレンホール)が自宅で偶々観たDVD映画に自分に瓜二つの男が出演していることに気づいたことから,奇妙で不可思議な物語が始まる.男の恋人はフランスのメラニーロラン.トロントは湖に面した美しい街という印象があるが,映画の舞台はどこか殺風景な共同住宅を中心にした街並だ.男は自分に瓜二つの男を捜し出し,接触を試みる.そこから物語はおかしな展開をする.「何だ?これは?」と思う.観終わって後味の悪い,不安定な気持ちに陥る.
後日同じシネリーブルで「ジゴロ イン ニューヨーク」(FADING GIGOLO)(原題を訳するとは色あせた女たらし?)を観る.監督・主演はジョン・タトゥーロ,ウッデイアレン共演.シャロンストーン,ヴァネッサ・パラディなど多彩な共演陣.ニューヨークを舞台に,古本屋の経営が行き詰まった男(アレン)とその友人(タトゥーロ)が金持ちの女相手のジゴロとポン引きで儲けることを思いつく,ユーモラスな物語.心が少しあたたまる映画だ.現代のニューヨークに生きるユダヤ教信者たちの世界を垣間見ることができて面白い.
 映画の後元町通りを西にぶらぶら歩く.かつて三越百貨店があり神戸の繁華街の中心であった元町通り.人通りは多くないが,格安の値段の衣料品が目につく.東南アジアの人の言葉もよく耳に入り,どこか海外に来たような不思議な所だ.写真はポートタワー.