映画 誰よりも狙われた男 (A most wanted man)

 

週末の夜、スパイ小説の巨匠のジョン・ルカレの原作を映画化した「誰よりも狙われた男」を西宮ガーデンズで観る。神戸市内での上映はなく、ガーデンズのみだ。最終の上映時間で観客は7人だけだった。監督はAnton Corbijn。主演は今年2月46歳で亡くなった名優フイリップ・シーモア・ホフマン。彼の遺作となってしまった。共演はレイチェル・マクアダムス、ウィリアム・デフォーなど。ドイツ諜報機関員のシーモアたちがハンブルクを舞台に、アメリカCIA、ドイツ内務省の幹部と駆け引きをしながら、潜入したイスラム過激派を人道支援するドイツの女性弁護士(レイチェル・マクアダムス)を強引に説得して、イスラム過激派のメンバーを情報源として確保しようとする。結末はホフマンにとって無残なものとなる。「誰よりも狙われた男」とは何者なのか?イスラム過激派か?イスラム教の宗教家か?ホフマンでなないのか?彼はドイツの諜報機関員としてイスラム過激派からドイツの治安を守るという大義があるが、それ以上の複雑な思いを彼は持ってしまう。彼にとって何が正義であるのか分からないのだ。この複雑な役をホフマンは好演している。地味で全く話題にならない映画だが、ハンブルクを舞台に、ルカレ原作ということもあり魅力を感じる映画だった。
 スケッチは爽やかな秋晴れの朝、ヘルシンキの公園のベンチから見た街並み。シラカバ、チエリーなどが少し色づいていた。ヘルシンキは市電が走る小さな古い美しい街だ。