東六甲山麓のシナアブラギリなど

昨日仕事が休みで,天気も良いので東六甲山麓を歩いてみる.夙川上流の橋の上から,以前から気になっていた高木のシナアブラギリ(Aleurites fordil)の果実が目に付く.やや赤く色づき,遠目にはリンゴかカキに見える.シナアブラギリは種子から油を取るため中国から持ち込まれたトウダイグサ科に属する外来種である.夙川上流のこの河原には群落をつくり,春には大型の白色の花が咲き,結構目立つ.数年前少し上流の植物園の川沿いに花を下から観察していると,ハナムグリの仲間がかなり訪花しているのを見たことがある.葉には花外蜜腺があり,5月ごろウメマツオオアリが来ていた.野生化して各地に見られるのは鳥が散布しているのだろう.
その後,北山植物園を経て北山ダム,甲山に向かう.この植物園は,近場にあり無料で入園できるし,花を見ながらぶらつき弁当をもって晴れた日に来るのに適している.図書館もあり,植物について調べることができる.
 久しぶりに甲山の山頂に上がる.山頂まで上がるのはおそらく子供時代からないと思う.おぼろげな記憶では,当時甲山は草山で,秋にリンドウが咲いていたと思う.今では秋に野山を歩いてもリンドウを見ることはない.草原の消失と関係があるのだろう.甲山の植生はコナラなどの雑木林に遷移している.山頂だけは,樹木を伐採し,草原が維持されている.コナラの林は,キクイムシに攻撃されたのか,かなり枯れている.急な坂を下ると,神呪寺に出て,更に甲陽園の住宅街を下ると,阪急甲陽園駅に出る.手ごろなハイキングコースである.写真はシナアブラギリの果実の断面と色づいた果実