映画「ローマでアモーレ」と元町の街路樹イスノキの虫こぶ(Gall)

8日(土曜日)暑い日差しの中,大阪市内伝法橋へMissionのため向かう.終了後人の多い梅田を避けて,阪神電車で三宮に向かう.甲子園でタイガースの試合があり,車内は満員だ.三宮に着くと元町に近いシネリーブルに行き,ウデイ・アレン監督の新作映画「To Rome with love(ローマでアモーレ)」の座席券を購入.2時間ほど時間があり,去年暮れに購入し落として壊れたpentaxの交換レンズを買おうと,元町通りのカメラ屋に向かう.型落ちの新品pentax35-80を3000円で購入.カメラ屋に向かうとき,大丸東側の南北の街路樹に果実のような虫こぶを大小多数発見.樹木にはマンサク科イスノキDistylium racemosumというプレートが付けられ,虫こぶができると表示されている.つまり虫こぶができることを前提に街路樹として植栽されたようだ.虫こぶは一般には昆虫やダニなどが産卵し,幼虫が植物組織に侵入,その刺激で組織が異常発育したもの.探せばケヤキクスノキの葉など多くに発見できる.イスノキにはアブラムシによる虫こぶが見られ,イチジク型のイスノナガタマムシ,葉にできるダイズ状のイスノハタムシなどがいるらしい.変わった形の大きな虫こぶを見つける.しかし,穴が開いており,成虫は羽化したようだ.多様な形をした虫こぶは古代から人類の興味を引いたようだ.植物にとってはほとんどが害虫であろうが,人類は色々と利用してきた.脱出後のイスノナガタマムシを胡椒入れにしたり,笛として遊んだりしたようだ.また,植物にはタンニンが含まれるが,虫こぶにも多く含まれ消炎剤など医薬品として利用し,お歯黒,ヨーロッパではインクの酸化防止剤として,動物の皮革をなめすことにも利用されたようだ.さらに食用にもしたこともあるそうだ.虫こぶは害虫防除のため,また生態学的な興味深い研究材料を研究者に提供している. 
 映画のことを書こうと思って長々と虫こぶについて書いてしまった.上記は薄葉重著「虫こぶ入門」を参考に記述した.ニューヨーカー,ウッデイ・アレンの新作は,皮肉とジョーク満載の退屈しない作品で前作「Midnight in Paris」より面白い.監督自ら久しぶりに出演し,彼ものりのりと言う感じだ.4組の男女のカップルの滑稽なドタバタラブコメ.最高の場面はシャワーを浴びながらカンツオーネを歌う葬儀屋のジャンカルロ(Fabio Armiliato)だろう.彼は本物のイタリアのテノール歌手だそうだ ( 1956年生まれ).4組の男女は一切交わらない.「Love actually」のように1本の糸にはならないが,それぞれが平凡な日常の幸せに帰って行く.アレンは著名人,金持ち,そしてそれを持ち上げるマスメデイアを痛切に皮肉る.彼の士気は衰えていない.娼婦役で出演しているペネロペ・クルスは,次回のボンドガールに決まっているそうだ.帰りに三宮駅周辺で食事をしようと探すが,どこの店も満席で適当にビル地下の居酒屋に入るが,安くても不味い. これはひどいなと思った.写真はイスノキのプレート.