フイレンツエ・ヴェネツィア 夏の旅 Part3

ようやく猛暑が終わり秋が近づいたようだ.何だかイタリアに行ったのも随分前のような気がする.忘れそうなのでヴェネツィアについて書いてみる.フイレンツエから鉄道の乗車券を苦労して自販機で購入.イタリアはまだ国鉄が健在だ.プラットフォームがどこか分からず,暑い中を駅構内をうろうろするが何とか乗車.3時間ほどでヴェネツィアの手前のメストレの駅前のホテルPlazaに向かう.とにかく暑い.駅にはコンビニがあるが,特になにもない街といってよいだろう.ヴェネツィア本島にホテルを予約しなかった理由は高い,古いことだった.このホテルはアメリカンスタイルの快適なホテル.ゆったりした風呂もあり問題はない.夕食は近くのレストランで適当に食べる.
 翌日列車で海を渡りヴェネツィアへ向かう.海にかかる長い鉄橋を渡りサンタルチア駅に到着.緑は少ないが美しい島だ.空は青く,太陽の光がまぶしい.海も綺麗だ.駅前で水上バスプリペイドカードを買う.50Euで36hr乗り放題である.適当に船に乗る.おそらくサンマルコ広場に向かうだろうと思っていたが,通り過ぎ,さらに沖合のリド島に到着.明るいリゾートの島だ.おしゃれなプチホテルが並ぶ.確か映画「ベニスに死す」はここでロケしたと思う.予定外だが,面白いのでしばらくぶらつく.地元の人が利用するマーケットに入り,サンドイッチ,飲料,果物などを買う.その他生活用品などを見て,家用に石鹸,パスタ,ジャムなどを購入.水上バスサンマルコ広場に向かう.ヴェネツィアを上手に観光するにはこの水上バスの乗り放題のチケットを買い,島をまわることだろう.
サンマルコ広場では人が多くやたら暑い.バカンスのピークなのかもしれない.ベネチアガラスの店が多数並んでいる.妻のwindow shoppingに付き合うのも疲れるので,日陰で休憩.その後迷路のような路地を歩き,リアルト橋に向かう.途中運河沿いのカフェでコーラを飲み休憩.この店で対岸を鉛筆でスケッチする.海鮮料理を食べようと思い,魚市場の周辺のレストランをのぞく.店の呼び込みがすごい.「イカスミパスタ!」を連発する.日本語のメニューも見せてくれる.余程日本人観光客がくるのだろうか.日本人はイカスミパスタが大好きなのか?コースでも1人20Eu程度で安い.しかし,結局駅前に戻り,駅前の緑のある静かな公園で休憩.緑があるのでほっとする.近くのレストランでピザ,ラビオリ,サラダ,ビールで35Eu.列車でメストレのホテルに帰る.
 翌日ヴェネツィアムラーノ島に向かう.海上は霧がかかり視界が悪い.この島がベネチアガラスの本場らしい.当時の権力者が技術の流失するのを恐れて,ガラス職人をこの島に閉じ込めていたらしい.昼食は島の木陰でサンドイッチを食べる.そのベンチでスケッチ.夕食はメストレのホテルから歩いて15分程度のネットで調べたレストランVite Rossaに向かう.テーブルは予約が入っているし,並んでいる客が多数.幸運にも1時間だけ席が空いていた.540gのステーキ,パスタ,サラダ,ビールなどで48Eu.おいしい.店へ向かう途中は,アラブ系の人たちが住む地域なのだろう.暗くなると少し不安だったが無事ホテルに戻る.近くにマルコポーロ空港があり,中心部と空港の間は,ロンドン,パリとともに移民の人たちの街になる傾向があるのかと思う.
 翌朝バスでマルコポーロ空港へ向かう.ようやく帰国だ.飛行機はイタリアからまたアムステルダム経由で関空へ翌朝7時ごろ到着.バスで自宅に向かう.暑い中を歩き回り疲れた.時間がなく下調べが不十分で,計画的に行動できなかった.しかし,それはそれでまた面白いのかもしれない.イタリアは,食事がおいしい,服,靴,鞄などの店が豊富.ベネチアは美しい島だ.フイレンツエは美術鑑賞に良い.北部の治安はそれほど悪くない.女性に向いている.トイレが問題だが・・・.しかし自然を楽しむにはあまり適していない.
帰宅後イタリアで下書きしたスケッチを仕上げようとするが,納得するものがなかなか描けない.アムステルダムの運河沿いも描いたがよいものが描けない.イタリアは明るすぎて水彩画には向かないのかもしれないと勝手に思う.先日自宅近くのCafe & Galleryでコーヒーを飲んでいると,春のアムスの運河の写真が展示してあるのに気づき,気に入ったので分けてもらえないかと頼む.すると売り物ではないとのことで,iPhoneで撮影しても良いかと聞くと,気持ちよくOKをもらい,テーブルの上で撮影.その写真からスケッチを描いてみた.暑い夏のイタリアより春のアムステルダムの方がずっと感覚的に合うようだ.真夏のイタリアに行って春のアムステルダムも変だがまあいいかと自分納得させる.次はまた涼しい北ヨーロッパに行こうかと思う.